大ヒットシリーズ「ハリーポッター」の映画版に馴染みが深い人にとってハーマイオニーと聞けばエマ・ワトソンを思い浮かべるのは自然な話。
抜群のスタイル、クリッとした茶色い眼、栗色でクセのある髪。そして、透き通るような白い肌。
ところが、2017年7月にロンドンでスタート予定の「ハリーポッターシリーズ」初の舞台作品「Harry Potter and the Cursed Child」(日本語訳:ハリー・ポッターと呪われた子供)でハーマイオニー役を演じるのは、アフリカ系女優ノーマ・ドゥメズウェニ。黒人の女優さんです。
「ハーマイオニーが黒人!?」
公式Twitter、インスタグラムに公開された画像で公開された画像を巡って、多くの賛否両論が巻き起こっています。
その公開された画像はこちら↓
The Granger-Weasleys: Ron, Hermione and Rose. #HarryPotterPlay #CursedChild. First public preview in 6 days! pic.twitter.com/yf8YBBsfFT
— Harry Potter and the Cursed Child (@CursedChildLDN) June 1, 2016
左の男性はロン。右にいる黒人の女の子はローズ(ロンとハーマイオニーの娘)。そして真ん中にいるのがハーマイオニーです。
今回の舞台版ハリーポッターは19年後のハリー達を描く作品らしく、登場人物の年齢層が高め。
話題になっているハーマイオニーについてですが、インスタ上では
「これはハーマイオニーじゃない」
「なんでハーマイオニーが黒人なの?」
といった批判的な声と
「肌の色は才能とは関係ない」
「どうして肌の色で判断しようとするの?」
という擁護的な声とが飛び交っています。
ハーマイオニーを黒人が演じること自体は昨年12月に発表されており、その時も賛否両論巻き起こっていたわけですが、今回の画像公開で再び論争は過熱。
さらにこの論争に原作者まで加わり更に白熱することに…。
原作者J.K.ローリングが大激怒
J.K.ローリングさんはハリーポッターシリーズの産みの親であり、今回の新作舞台の脚本も手がけている人物。
そのJ.K.ローリングさんは昨年12月にTwitterにてこんな発言をしています。
「設定は茶色い目、くせっ毛、ものすごく賢い。白い肌、としたことはありません。ローリングは黒人のハーマイオニーが好きです」
J.K.ローリングさんは「そもそも原作にハーマイオニーが白人だなんて書いてない。黒人女優を起用してなんの問題があるの?」というスタンス。
それでも黒人起用に批判的な意見が出てくるのに対し、
「これまでにソーシャルメディアを使ってきたけど、おバカな人はおバカなことをするものね」
「なぜ彼らはそういうことを言えるのかしら? それが世の常なのかしら。ノーマは最高の女優だったから選ばれたのに」
「多くの人種差別主義者が、わたしにハーマイオニーが『白人になった』理由を言ってきたわ。彼女はショックのあまり顔から色がなくなってしまったんですって。だから彼女は白人でならなければならないのだと」
「本当に理解に苦しむわ」
などとかなりご立腹な様子。確かに人種差別主義者の「白人になった理由」の下りはヒドいですね…。
「でももうあまり興奮しすぎないようにすることにした。わたしはシンプルかつはっきりと言うわ。ハーマイオニーは黒人女性になりうる存在だし、わたしは非常に感激して祝福しているってね」
原作版ハリーポッターでのハーマイオニー特徴
では、原作で描かれているハーマイオニーの外見的な特徴ってどんなものなのでしょうか?
原作では、
- 瞳の色は茶色
- 髪は茶色く量の多い縮れ毛
- 普段は常に20冊近い本を背負っている
- 基本的に容姿には無頓着
- 髪も手入れをしないためボサボサ
など映画のハーマイオニーとはかけ離れた描写。ちなみに肌の色についての 描写は一切ありません。
ハリーポッターオタクの知り合いに聞いてみた
原作・映画全てコンプリート、誰よりもスネイプ先生が好きなガチオタクの友人に「ハーマイオニーを黒人が演じることについてどう思う?」と聞いてみた。
ガチで答えよう。私はなんとも思わないよ。
舞台化されて演者によって雰囲気が変わるなんてよくあることだし、黒人の女優さんが演じることになってもハーマイオニーというキャラクターを演じてくれたら別に…。
ただ今回は、何となくの雰囲気じゃなくて、昔から差別の問題があった白人と黒人っていう人種の差が関わってるから結構大事(おおごと)になってるけど…。
映画ファンは違和感あるんじゃないかな。10年間もエマ・ワトソンが演じてきたわけだから固定概念は強いかもね。エマ・ワトソンが演じるハーマイオニーが好きってならなおさらね。
でも、ストーリーそのものが好きな私からすれば誰がやろうと関係無いよ。
内容が続きとなる19年後の話だろうと、映画は映画、舞台は舞台だから。
キャラクターではなく、ストーリーが好きと語った友人は真のファンに思えた。
イメージも解釈も人それぞれ
歴史的な経緯もありますし、今回の論争でも実際に差別的な視点で言っている人達もいることでしょう。
しかし、「ハーマイオニーが黒人だなんてありえない」=みんながみんな黒人差別しているわけではないですよね。
今回の騒動の原因は一つ。
映画版ハーマイオニーのイメージがあまりにも強過ぎるから。
そこに人種差別なんかが絡んできて少しややこしくなっているのでしょう。
映画シリーズも最初からハーマイオニーに黒人女優を起用していたら今回のような論争にはならなかったでしょうし…。ホントにイメージも解釈も人それぞれなんだと痛感できますね。
この論争の後押しもあってか、2016年7月のプレミアム公演(イギリス)のチケットは発売後24時間で17万5000枚の販売枚数を記録。今年最も話題の舞台になるとも言われています。
なにはともあれ、今までとはひと味違うハーマイオニーやハリー達の活躍に期待です!
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